社内リスキリングを成功させる
eラーニング活用術

公開

ビジネス環境の変化が加速する今、企業には社員のスキル再構築=「リスキリング」が求められています。とはいえ、「どんな内容を教えればいいのか」「どのように研修を進めればいいのか」と悩む教育担当者も多いのではないでしょうか。
このような中で注目されているのがeラーニングを活用したリスキリング研修です。場所や時間を問わず受講でき、進捗管理もしやすいことから、効果的な研修方法として導入が広がっています。

さらに今では、「人材開発支援助成金」や「DXリスキリング助成金」などでもeラーニングを用いたリスキリング研修が対象となり制度も充実してきています。
本コラムではこのような制度を活用しながら、企業がリスキリング研修を効果的に進めるためのポイントを解説します。

リスキリングとは?なぜ今注目されているのか

近年、個々の働き方や企業の競争環境が変化する中で、「リスキリング」という言葉を耳にする機会が増えています。リスキリングとは、「新しい業務や職種に対応するためにスキルを再習得すること」を指します。単なるスキルアップではなく、職務転換や新しい働き方を前提とし学び直しである点が特徴です。

なぜ今、リスキリングが必要なのか

リスキリングへの注目が高まっている背景には、社会やビジネス環境の大きな変化があります。主な要因として次の3つが挙げられます。

  1. DX化・AIの普及による業務構造の変化

経済産業省の「DXレポート2」では、2030年に最大12兆円規模のIT人材不足が予測されています。業務の自動化が進む中、データ分析やAI活用など新しい業務領域に対応できる人材が求められており、新しいスキルの習得が不可欠になっています。

  1. 人材不足と働き手の多様化

少子高齢化により労働人口が減少するなか、既存社員の再教育やキャリア転換が急務になっています。企業は“採用”と並行して“育成”による人材確保を図る流れも加速しています。

  1. キャリアの自立を支援する流れ

従業員自身のキャリア意識も変化しており、「今後のキャリアを自ら形成したい」というニーズが高まっています。企業がリスキリングの機会を提供することは、エンゲージメント向上にもつながります。

アップスキリングとの違い

リスキリングと混同されやすい概念に「アップスキリング」がありますが、目的が異なります。

  • リスキリング:新しい業務や職種に対応するためのスキル習得
    (例)営業職からデータ分析職へ転換するためにプログラミングを学ぶ
  • アップスキリング:現職の業務をより高度に行うためのスキル強化
    (例)営業職がプレゼン力や交渉力を高める

つまり、リスキリングは「キャリアの方向転換」、アップスキリングは「専門性の深化」を目指すものと言えます。いずれの取り組みも eラーニングと非常に相性が良く、場所・時間に縛られず体系的に学べる点が注目されています。

リスキリング研修にeラーニングが向いている理由

社内でリスキリング研修を実施しようとすると、「時間」「場所」「進捗管理」などの課題が発生します。受講者のスケジュール調整や講師の確保、会場準備など運営面の負担も小さくありません。そこで活用できるのがeラーニングです。

eラーニングの最大のメリットは「柔軟に学べる環境」と「進捗が見えること」です。
対面研修の場合、受講者を1か所に集める必要がありますが、eラーニングであれば社員は自分のペースで学習を進められ、業務の合間や出張先、自宅など、どこからでも受講できます。スマートフォンにも対応しているため、忙しい社員でも隙間時間を活用できます。

また、教育担当者にとっては、受講状況がシステム上で自動的に記録されるため進捗が見える点がメリットです。誰がどこまで学習しているかを一覧で確認でき、未受講者へのリマインドも自動化できます。これにより、従来のような出席管理や個別フォローの手間を大幅に減らせます。

さらに、eラーニングでは動画講義・理解度テスト・レポート提出など、さまざまな形式を組み合わせて学習を進められます。受講者が自ら考え、手を動かしながら学べる設計にすることで、従来の「聞くだけ」の集合研修に比べて、理解の定着率や実務への応用力を高めやすいという効果もあります。

リスキリング研修設計のカギは「教材選び」

eラーニングでリスキリング研修を成功させるためには、「どんな教材で学ぶか」をしっかり設計することが大切です。大きく分けると、次の3つのアプローチがあります。

  • 自社教材型:自社の業務やノウハウを教材化して学習する
  • 市販教材型:外部で販売されている専門教材を活用する
  • ハイブリッド型:自社教材と市販教材を組み合わせる

自社教材は、業務プロセスや社内ルールなど、現場に直結した実践的な内容を学べるのが魅力です。一方、市販教材は最新の知識や汎用スキルを網羅しており、スピーディに学習を始められる利点があります。どちらの方法も、eラーニングシステムを活用すれば、動画・PDF・クイズなど多様な形式で簡単に展開できます。

eラーニングを活用したリスキリング研修の進め方とメリット

前章でも紹介したように、研修を設計する際には「どの教材をどのように組み合わせて運用するか」が重要になります。それではここからは3つのアプローチを比較しながら、それぞれの特徴と活用ポイントを整理していきます。

教材タイプ 特徴 メリット 活用例
自社教材 自社業務・文化に合わせて制作できる ・現場に即した内容にできる
・社内ノウハウの蓄積につながる
・低コストで継続運用可能
新規ツール研修 業務プロセス共有など
市販教材 プロが構成・検討した教材を利用できる ・短期間で導入可能
・幅広い分野をカバーできる
・教材品質が安定している
IT基礎、ビジネススキル向上、DX入門など汎用教育
ハイブリッド型 自社+市販教材の組み合わせ学習 ・柔軟なカリキュラム設計ができる
・実践性と汎用性を両立できる
・学習効果を最大化できる
現場スキル+基礎スキルの同時強化

自社教材で行うリスキリング研修

自社の業務や戦略に直結するスキルを磨きたい場合は、自社教材の活用が最も効果的です。
PowerPointやマニュアル、社内研修の録画など既存資料をもとに教材化すれば、コストを抑えながら現場に即した内容の提供が可能です。
たとえば、営業職向けに「新CRMツール操作研修」をeラーニング化する、新しい事業を起こす際の業務プロセスを教材にする、といった形での活用が考えられます。

また、教材を通じて社内の知見を体系化すれば、「社内ナレッジの資産化」も実現可能です。これにより、属人的なスキルを組織全体に共有でき、教育の再現性や組織全体のスキルアップを図ることができます。

自社に最適な教材づくりを進めるには「どのような形式で作るか」「どのように配信、管理するか」をあらかじめ設計しておくことが大切です。SATTでは研修目的や内容に合わせて、最適なLMS活用の方法のご案内が可能です。少しでもお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。

市販教材を活用する方法

ITリテラシーやDX基礎、ビジネススキルの習得など、共通スキルの底上げを狙う場合には、市販教材が最適です。市販教材はすでに構成・制作された教材を利用できるため、研修をすぐに立ち上げられるといったメリットがあります。

また、市販教材は教材作成や研修のプロが監修しているため、品質が安定している点も魅力です。たとえば、「データ分析の基礎」や「ロジカルシンキング」「コミュニケーション研修」など、社内では教えづらいテーマも手軽に導入できます。

学び~とでもDX研修やマーケティング研修など多数のコンテンツを取り扱っています。興味のある分野の教材があるかまずはお気軽にお問い合わせください。

ハイブリット活用で研修効果を最大化

実践的なリスキリングを目指すのであれば、自社教材と市販教材を組み合わせる「ハイブリッド型」が効果的です。
たとえば、市販教材で「データ分析の基礎」を学び、その後に自社データを使った分析演習を自社教材で実施する、といった流れです。これにより、汎用的な知識と現場に即した実践力の両方をバランス良く身につけられます。

さらに、eラーニングシステム上で両方の教材を一元管理すれば、進捗・理解度の把握や受講分析も容易になります。担当者は受講データをもとに、「どの教材が理解度を高めているか」を分析でき、研修の改善にもつなげられます。

リスキリング研修に使える補助金制度

eラーニングを活用したリスキリング研修では、研修費用やシステム導入費用を支援する助成金・補助金を活用することができます。今回は代表的な制度を3つ紹介します。

人材開発支援助成金(厚生労働省)

社員の能力開発を目的とした研修に対して、企業が支払った賃金や経費の一部が助成されます。リスキリング研修では「人材育成支援コース」などが対象となり、eラーニングを用いた職業能力開発も助成の対象です。

  • 助成率:中小企業で最大75%
  • 対象経費:研修費・講師謝金・システム利用料など
  • 受講形式:eラーニング・オンライン研修も可

対象となるeラーニングや導入詳細はこちらの記事を参照ください。
eラーニング導入で人材開発支援助成金を利用するには?申請条件や注意点を紹介! – 学び~と

DXリスキリング助成金(東京都)

DXリスキリング助成金は東京都が独自に設ける制度で、DX推進に必要なスキル習得を支援するものです。すでに研修パッケージと販売されているeラーニングである、レディメイド型研修(既成プログラム)が助成対象となります。

  • 対象:都内中小企業
  • コース:①企業内講師養成コース ②実践スキル習得コース ③基礎スキル習得コース
  • 助成率:研修経費の最大3分の2
  • 上限額:1社あたり最大300万円(年度による)
  • 研修形態:オンライン・eラーニング可

※詳細は東京都しごと財団「DXリスキリング助成金」公募要項参照。

IT導入補助金(経済産業省)

eラーニングシステムそのものを導入する場合は、「IT導入補助金」を活用できます。
これは、ITツールの導入を支援する制度で、検討しているeラーニングシステムが対象ツールとして登録されていれば申請が可能です

  • 対象経費:システム利用料・初期導入費など
  • 助成率:最大1/2(デジタル化基盤導入枠など)
  • 対象:中小企業・小規模事業者

IT導入補助金でシステム導入と研修実施の両方で補助金を組み合わせることで、コストを抑えながらリスキリングを進めることができます。
また、IT導入補助金は導入方法が複雑なため、詳細は下記リンクをご覧ください。
IT導入補助金でeラーニングを導入するには?申請準備から支援事業者選定まで – 学び~と

まとめ|リスキリングは小さく・早く始めよう

リスキリングは「大規模に始める」よりも、「小さく試して成果を出す」ことが成功のポイントです。eラーニングなら、限られた予算や人員でも無理なく始められ、対象者を徐々に広げることができます。

教育担当者にとって重要なのは、社内に“学びの文化”を根づかせる第一歩をつくること。eラーニングを活用したリスキリングは、その最初の一歩として最適な方法です。

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